上間二之間の襖八面に渡って描かれている「薔薇図」。部屋の間取りに合わせ、角にあたる部分には大きな岩盤と薔薇の樹を据え、左方には鶏冠の朱鮮やかに雄鶏と雌鳥が、右方には薔薇の下、なだらかに伸びた岸辺で憩う猫が描かれた各四面づつL字形に配置されています。

上間二之間

上間二之間:長沢芦雪筆

長沢芦雪筆:紙本淡彩「薔薇図」襖8面(重要文化財)
右四面:各179.3×91.5cm 左四面:各183.5×115.5cm

天明6年(1786)6月滞在中の作。
奇異な形の岩の大胆な表現と、猫や鶏の写実的で細やかな表現が対照的な違いがうかがえる。左方の雌雄の鶏の姿態、長く伸びた薔薇の枝には動勢が感じられる。右方は、三匹の猫からは鋭い自然観察が認められ、薔薇の枝や水辺の葦には力強い筆力があふれている。
長沢芦雪筆:紙本淡彩「薔薇図」襖8面 「薔薇図」左四面:四面鶏の描写は精緻で、芦雪の熱心な自然観察をしのばせている。それと対照的な大胆に描かれた怪奇な岩。

上間二之間に入ると目を惹く鮮やかな鶏冠の朱落款は「平安 蘆雪寫」、印章は「魚」朱文氷形印

上画像はデジタル再製画ではなく、重要文化財である原画。

上間二之間:長沢芦雪筆、紙本淡彩「薔薇図」右四面 「薔薇図」右四面

岩盤で憩う三匹の猫のそれぞれの姿態 岩盤で憩う三匹の猫のそれぞれの姿態には鋭い自然観察が認められる。薔薇の枝にはしなやかで力強い筆力があふれている。水辺から鮎を狙う一匹の猫は生態の瞬間的な描写として優れている。 薔薇の枝にはしなやかで力強い筆力があふれている。水辺から鮎を狙う一匹の猫。

上画像はデジタル再製画ではなく、重要文化財である原画。

上間二之間
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